聖を………
聖を消したのは……………………
「………っ。」
強く噛み締めた唇から、鉄の味がする。
「秋雨聖。アイツの魂はなかなか美味かったよ。」
彼はにやにやと笑いながら
私との距離を少しずつ、でも、確実に縮める。
「彼に愛されてたきみの魂は、もっと美味いだろうね。
………………ねぇ、優菜ちゃん?」
そう言って笑う彼に嫌悪感が走る。
こいつが………
黒羽惺が……………
聖を、消した。
「まさか、秋雨くんが魔法界にまで来れてるとは思わなかったよ。
でも…………
きみさえ消えれば、彼の『生きる意味』はなくなる。」
一歩…
二歩……
私と彼の距離はだんだんと狭まっていく。

