「水瀬さんに、聞いたのなら、今更否定する理由なんて、ないよ。」




私の心中を見透かしたように、黒羽くんはそう言った。





「でもさ…。

それに、なにか、問題あるのかな?」


「………っえ?」


私は、思いもしなかったその言葉に、目を見開いた。






「妖って、魔法界じゃ、いて当たり前の存在。

むしろ、人間界にもいるものなんだ。

だからこの世界にいるのは当たり前だと、

思わない?


それに、一部の妖が人に憑いて悪さをするからといって、

みんながみんな、そうなわけじゃない。




そうは、思わない?」








黒羽くんは、そう言って首を傾げた。







………確かに。それは一理ある。







「優菜ちゃんはただ、僕に愛をくれればいいだけなんだよ?」






そう言って黒羽くんは私の頬に手を添える。






「僕は、ひとりの魔法使いが恋をするのと同じように、

優菜ちゃんに恋をし、愛しているよ。

それじゃ、ダメかな…………?」






不安そうにそう聞く黒羽くんに首を左右に降ってみせると









目を伏せて、そのキスを受け入れた…………―