柔らかな風が私のスカートを揺らす。 肌寒い、季節になった。 いつの間にか久しぶりになっていたベランダで 散りかけた金木犀を眺めていると 「芹沢ちゃん…………!大変だ!」 いつの間にか走ってきたリリーちゃんが 私に勢いよく飛びつきながら叫んだ。 「芹沢ちゃん…………!!」 リリーちゃんが声をうわずらせながらも話し続ける。