翌朝、お酒でふらふらする頭で直臣さんに電話したら、ワンコールで出た。
隣に誰か居て、起こしたく無かったりして――とか勘ぐったりしたけど、今日そちらに行くと言うと大喜びだった。

「社長も喜ぶよ。君に会いたがってるんだ」

本当に弾んだ声でそう言うと、なんだが私の決心が汚れているような気がして――胸が痛んだ。
けどきっと、私は間違えていない。

これで良かったんだと思う。