自分のことを考えるだけで精一杯だったけど、

さっき言ってくれた橘くんの言葉……本当はすごく嬉しかった。



「キミはそのままでいいと思うよ」って。


少なからず、橘くんは今のわたしが1番いいって思ってくれてるような気がしたから。


バカで、ドジで、平凡すぎるわたしだけど、それでもいいって。


まぁ、バカすぎちゃうのはこらから改善していかなきゃいけない短所だけどさ。


「ふふふ……」


「なんで笑ってるんだ」


「別になんでもないよー」




その後、ちゃんとした会話はなかったけど、心地よい静けさだった。



橘くんはわたしが家に着くまでずっと手を離さないでいてくれて、

まさか家まで送ってくれると思ってもいなかったから一生分の贅沢を味わった気分。