開けっ放しだった廊下の窓から一筋の風が吹いた。 スッと空気を吸い込むと夏の匂いがした。 花火大会が開かれる日には、今よりさらにじめじめとした空気になっていることだろう。 それでも木々の間をすり抜けてくる夏の空気はとても爽やかで心地がいい。 だから案外夏は嫌いじゃない。 これからはきっと、もっと、好きになる。 そんな予感がした。 運命を変える夏休みはすぐそこまで迫ってきている。 振り返れば飲み込まれてしまいそうなほど、目の間に。