伊織さんは仕事のため、一度会社に戻った。それまでおはる屋か家か、好きな方で待っていればいい、というのでおはる屋で待つことに。
おばあちゃんの為に夕ごはんを用意して、軽くだけど私やみどりも一緒に食べる。みどりの離乳食は手作りを基本にしてるから、おかずの中で使えるものは流用して使わせていただいてます。
みどりはかなり早い段階から食べ物に興味を持っていたから、いろんな食べ物を与えても何でも食べるから助かるし、今のところアレルギーもなさそうで安心。
「ずいぶん食べるようになったみたいだね」
おばあちゃんは食欲旺盛なみどりを見て目を細めてる。やっぱり孫は可愛いんだなぁって、密かに笑った。
「うん、このところよく食べるんだ。体重も順調に増えてるし……検診でも褒められるくらい。補助があればもうすぐ歩けるかも」
我が子の成長が嬉しくて、ついつい語ってしまいます。きっとだらしない顔だろうけど。ここにはおばあちゃんとみどりしかいないからいいや。
「あんたは同じくらいにはひ弱でね。しょっちゅう熱を出してたもんけど。あの図太いバカ婿の丈夫さが似たなら安心さ」
「え、私、そんなに弱かったの?」
おばあちゃんはあんまり昔の話はしてくれないから、珍しくてついつい訊いてしまったけど。おばあちゃんはそうさと頷いた。
「けいれんを起こすくらいひどい時も何回かあったがね……」



