「何食べたい?」 「なんでもいい」 そう言うとはなが困ったような顔をした。 …何か文句でもあるのかよ。 「それ、いちばん困るの!!きょーちゃんって『腹減った、何でもいいから作れ』ってよく言うけど、すごく困るんだからね!?」 だって本当になんでもいいし。 はなが作ったものならなんでも食べる。 砂糖と塩が間違えられた野菜炒めも、はなが作ったものなら食べ切れる自信がある。 「きょーちゃんの好きなものって何?もう何年も一緒にいるのにそれさえ私は知らないの」