これまたポケットから取り出してはなに手渡すと、はなは嬉しそうに笑った。
バースデーカードは写真付きで。
写真にははなの母さんと父さんがオーケストラで演奏している姿が映っていた。
「『誕生日おめでとう、はな。はなにとって17歳が幸せな年になりますように』…だって!!」
カードに書かれている文字を読み上げ、そっとカードを胸に抱くはなは本当に幸せそうな顔をしている。
「きょーちゃん、ありがとう。たくさんたくさん、ありがとう」
はなが笑ってくれるなら。
俺はなんでもしてやるよ。
はなが幸せを感じてくれるなら。
俺はそれだけで十分だよ。