本当のきょーちゃんはどっちなのかって聞かれたら、私は分からない。 でもたったひとつだけ、確かなことはある。 「…私はね、オオカミで甘いきょーちゃんが好きだよ」 背伸びをして、そうきょーちゃんの耳元で囁いたとき今日一番の花火が夜空に咲いた。 「……そんな可愛いことばっか言ってたら襲うからな。…俺はオオカミらしいから」 そんなきょーちゃんの冗談に、私は笑った。