ちらりと後ろを振り返ると、苦笑いしてる真鍋君と目が合った。




『おだいじに』




そう、口パクで伝えてきてくれたから私は小さく笑ってうなずく。

ほんの少し後ろ髪を引かれる思いで、私は保健室から出た。




「はな、痛くないか?階段登るの速くないか?」




階段を上がる途中。
そう言いながらきょーちゃんは私の顔をのぞき込んでくる。




……なんだかんだ言って、優しいんだよなぁ……。

少し過保護気味な気がしないでもないけど…。




だから私はきょーちゃんを嫌いになれない。