眉間にしわが寄っていく。 「あーいや…うちの後輩が葉月に惚れたらしくて」 「……あっそう。じゃあ伝えといて。はなに手ぇ出したらやっかいなオオカミに襲われるかもね、って」 はなが陰で俺を『オオカミ』って言っているのを俺は知っている。 それにかけて、そう言ってみた。 すると真鍋は困ったように笑った。 「柴崎っていう名前の、オオカミか?……おーい、七海いるかー」