「んー」 真尋に声をかけてから部屋のドアを開けると、そこにはサッカーボール事件でおなじみの真鍋がいた。 「真鍋。どうしたの?」 「……この階の室長俺だから。点呼とりにきた」 真鍋の手の中にはクリップボードがあった。 修学旅行の室長は宿泊ホテルの階ごとで分けられている。 だったら『室長』じゃなくて『階長』だろって思ったのはきっと俺だけじゃないはず。 でも、まあ納得。 それでわざわざ真鍋は俺たちの部屋まで来たのか。 もしかして今からこの階の全部の部屋を回るのか? ご苦労なこった。