はなは苦笑いを浮かべて、おもむろにブレザーを脱いで笹原の体にかけた。 「佳奈ちゃん、冷え性だからね。新幹線のなか、結構空調効いてるよね」 「はなは寒くないのか?」 「うん。平気だよー」 はなは俺の心配をよそに、ニコニコしながらなんとでもないように答えた。 それならいいけど…。 「寒くなったら言えよ。俺の、貸すから」 笹原にかけていある自分のものを着ろって言っても、きっとはなは聞かない。 すごくお人よしだから。