私はあなたに出会って 初めて恋を知りました――。 * 「あっつーい」 初夏。 雲一つない青い空にぽつんと太陽が浮かんでいる。 私、真田雛子。中学二年生。 まさかこの日。 初めて恋に落ちるなんて思っていなかった。 「おはよー!」 教室に入ると、皆の視線は私に向けられる。 「おはよう、雛子!今日も相変わらず元気だね」 毎朝一番に挨拶してくれるのは私の親友。 志田早苗(しださなえ)。 小学校から一緒で、かけがえのない存在だ。