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ホテルを出た僕たちは、地図を広げて次の目的地を探すことにした。

夜にはここを出て地元に帰るつもりだったから、そんなに遠くまではいけない。


「ここは?……そんなに遠くはないと思うんだけど」


美貴が見つけたのは、この地方ではちょっとした観光名所になっている海だった。

この場所からだと地図で見る限り、そんなに遠くはないように見えた。


『うん、いいよ、そこにしよう』


「でも大丈夫?ずっと運転してるけど……」


『うん、僕、車の運転好きだし』


それでも彼女は心配そうに僕の方を見ていた。


目的地が決まった僕たちは、また地図と標識に頼るドライブを始めた。




道はそんなに複雑ではなかった。

地図を見ると、目的地の海までは一本の国道を走って行けば辿り着きそうだった。


しかも、その国道にも僕が思っていた以上に簡単に入ることが出来た。

あとはそのまま道なりに走って行けば自然と海に着く。

標識にもちゃんと海までの距離が標されていた。

美貴も安心したらしく広げていた地図を丁寧に仕舞った。


「二日酔いじゃない?」


『なんとか大丈夫みたい、美貴さんは?』


「私はあれくらいじゃ全然平気」


『みたいだね』


助手席の方をチラッと見た時、彼女はピースサインをして笑っていた。

その表情は大人な彼女とはかけ離れた、子供っぽい笑顔だった。