虹色のラブレター



「でも本当に来たんだあ~!!智君だっけ?」


『そ、そうだけど……君は?千鶴の友達?』


僕の頭の中は真っ白だった。

とにかく、今、起こっていることの整理が出来ない。


「ううん。あなたが知ってる千鶴って子とは友達でも何でもないし、会ったことも話した事もないよ」


『じゃ、じゃ……君は?』


僕はよっぽど取り乱していたのか、彼女はそんな僕を見て声を出して笑った。

少しムッとすると、彼女は笑いを堪えながら言った。


「ご、ごめんね!!私、昨日ここに引っ越してきたんだけど、こっちに友達もいないし、誰かが来る事もないから、あなたが来てくれたことが嬉しくって、つい……」


彼女の境遇が、千鶴がここに引っ越してきた時に似ていて少し嬉しかった。

だけど、この子がここに引っ越してきたということは……千鶴がもうここに帰ってくることはない。ということになる。

僕がずっと信じてきた、この僅かな希望は絶望に変わった。

じゃ、ポケベルに入ったこのメッセージは?


『俺はポケベルが鳴ってここに来たんだけど……』


彼女はもう一度笑顔を見せて言った。


「それは千鶴って子からのメッセージだよ」


『え?』


「あなたのポケベルを鳴らしたのは私だけどね」


『ど、どういうこと?』