「たまには素直じゃねぇか」 ぼそりと、漏らした海里の言葉を聞きながら、私の右手は自然と左腕に沿っていた。 もう、大分前だというのに、いつまでたっても忘れられない痛み。 痛みなんて感じるわけないのに、触れるごとに何かを感じてる。 海かぁ…久しぶりだなぁ。 「じゃあ、海里今日はありがと、ってことで、帰ってね」