数秒後、千景は莉子ちゃんから離れると俺の方を向いた。 「ねぇ、葵クン莉子の息遣いが荒いのに、気付かなかった?」 と、一言だけ漏らした。 息遣い? ちらりと莉子ちゃんのほうを改めてみると息が少し荒い気がする。 それに、さっきの千景の質問、行動。 もしかして! 俺はぼーっとしていた頭をはっと起こした。 俺のはっとしたような顔をみるなり、千景はへらりとした表情を相もからわず浮かべ、莉子ちゃんを抱きかかえた。 軽々とした動きで千景は莉子ちゃんを持ち上げると自らの部屋へと向かった。