少し間を開けて答えた莉子ちゃんに俺はちょっと違和感が生まれた。
別に今の返答がおかしかったわけじゃない。
でも、なんだろう。この違和感は。
俺はそんなもどかしさを抱えながらも、莉子ちゃんに次の質問をした。
「じゃあ、転校してきた理由は?」
「この間言いましたが、選択肢は決められていたんですよ。それがあの場所だったから近くの高校に引っ越す必要があった、それだけですよ。みなさんが思っているような深い理由なんてありませんよ」
全てを見透かしているかのような笑みをもらし、莉子ちゃんはたちあがった。
「そろそろ出ませんか、もう帰ったほうがよさそうな時間ですし」
莉子ちゃんにそう言われポケットに入れていたスマホを確認すると画面は2:12を表示していた。
確かに、ここを出て倉庫に言ったらいいころかな。


