あの日の桜はⅡ【大幅修正中】


「そうなんだ、ていうことは今のマンションは莉子ちゃんのお父さんが買ったってこと?」

 普通の人ならここで気まずくなってごめんとか、つらかったよねとかいうんだろうけど。

 あいにく俺には、そんな感情何一つ取り揃えていない。

 これくらいのことなら俺らの中の者のほうが抱えている者は大きい。

 別に、過去に大きいも小さいも、辛さの順位なんてないけれど、自分から聞いといてなんだけど俺は、聞いたことに対して後悔などないし、謝ることもない。

 “王子様”だなんて外面がよけりゃ誰でもそう言える。

「まぁ、正しくは父とその妻といったところでしょうか。離婚して間もなく父は新しい奥さんと結婚していたようですし、しかもまたお金持ちの美人奥さんだとか。ここまですんなり来るともう母を殺したのも父かと疑いたくなるようなものですが。あ、本気では思ってませんよ?」