「冗談だってば。それよりも、莉子ちゃんのこと教えてよ」 なんていう葵の顔は爽やか男子って言うよりは妖艶な、色気のある、例えるなら、千景みたいな、いやその表現はおかしいけど、とにかくいつもと違う表情をしていた。 私はパスタを巻く手を止めた。 「うーん、例えばどんなことですか?」 「秘密、とか?」