あの日の桜はⅡ【大幅修正中】


「葵、ありがとうございます」

 笑顔でそう言うと葵は一瞬驚いたような顔をして、いいえと笑った。

「本当美味しそうに食べるよね。しかも、全部表情に出るからわかりやすい」

 わかりやすい?

 自分ではあまり思ったことがないけれど、そう言えば顔によく出ているかもしんないなぁ。

 今思い返せば、葵と出会った時もメロンパン見つめてたっけ?

 あの後に知ったけれど、あのパンは陸のだったらしく、悪いことをしたなと思った。

「そうかもしれませんね、なんか、毎回葵にご飯たかっているような気がします」

 自分でいっときながら申し訳なくなる。

「まぁ、でもそう言う所、わかりやすくて可愛いけどね」