あの日の桜はⅡ【大幅修正中】


 私、最近ミスが多い。

 なんて思っていると注文したパスタが二つ届いた。

「こちらペペロンチーノとボロネーゼになります。ご注文は以上でよろしいでしょうか」

 店員さんのお決まりの言葉にはいと答えながらももう視線はペペロンに向いていた。

 ダメなのになぁ。

 フォークを取りながら自分のパスタを見つめる。

 赤いトマトのソースがおいしそうに湯気をたたせている。

 どっちもおいしそうだけれど、やっぱりなぁ。

 思わずちらりと見てしまう葵のほう。

「もう、莉子ちゃんってばわかりやすい。味見する?」