「まぁ、あらかた準備も終わってますので、あとはこれらを運ぶだけですね」
 
 キッチンの空きスペースにずらりと並んでいる野菜を切ったものと、お肉などのボールを指さしはぁ、とため息をついた。

 ここでまともに料理を手伝えたのは葵を含めた数人だけだった。

 それでよく、数十人という多さの食料を処理できたなぁとおもう。

「りょーかい」

 そういって運び係の要因を引き連れ、千景はボールを下に持って降りはじめた。

 運ぶ係りはいっぱいいるからね、とその光景に苦笑しながら私は水道で手を洗った。
 
「本当に、いきなりごめんね」

 休憩していると葵が申し訳なさそうに手を合わせた。