結局、私は。


 肝心なところで何もできない。


 踏み込むことをしない。



 今までも。


 
 これからも。


 だったら、何のためにここにいるのか。


 そんな質問に、私はきっと、


   答えられないのだろう。

 ふと、葵の背中を見ながらそう思った。