「そうですね、じゃあ私着替えてきますね」
本当は下にきているけど、パーカーを羽織らないといけないし、それにここで下手に脱いで、ばれるのも嫌だし。
「わかった、人に気をつけろよ!」
そうにこっという陸に手を振りながら、私は更衣室のほうに向かった。
・・・・・・
「ただいまでーす」
着替え、といってもテープの入念なチェックとパーカーを羽織るだけだったが、それらを終えてパラソルまで戻ってきた。
「おかえ…り…水着、よく似合ってるね」
振り返った葵は一瞬、カチンと止まってしまったけれど、再び笑みを戻すと少し、頬を赤らめて、ほめてくれた。
あの日買った白の水着に、黒のパーカーを着ているので傷隠しはばっちりだ。


