あの日の桜はⅡ【大幅修正中】


「あ、莉子じゃーん」

 パラソルまで近づくと千景が私たちに気づいたようで手を振った。

 私もそれに小さくふり返し、砂浜に降りていった。

「莉子ちゃん、ご苦労様」
 
 ここまで来ていたのを遠くから見ていたのか葵が冷えているジュースを渡してくれた。

「ありがとうございます」

 私はそれを受け取り、プルトップを開けた。

 夏にふさわしい炭酸の音と、のどを通る冷たい感覚にぷはーと声を出した。

 動いた後のジュースってやっぱりおいしい。



「じゃあ、海行くか!!」

 額から汗を垂らした、陸が待ってましたと言わんばかりにうれしそうな顔をした。