『急にあんたをお願いしたいって電話したのに、文句も言わずに受け入れてくれて良かったよ。あんたの為にもなったかい?』

 私はうんと答えた。

 行ってよかったのだ。そのお陰で、私は巨大なブルーを乗り越えられたのだから。

 実家に戻ってから、私がやったことは二つ。

 一つめは、砂糖の封印。

 ほぼ無意識で摂取していたからこれは難しいだろうって思ったけれど、料理に使う以外で砂糖を口に入れることは禁止にすべきだ、と強く思ったのだ。

 このままではマジで糖尿病になるかもしれないし・・・。

 部屋の壁に砂糖禁止と書いてはりつける。大体今の私にはとてつもないストレスなどないはずだ。だからやめようと思えば止められるはず。今頑張らないとこれから先、ずっと砂糖を口に突っ込みながら生きていく羽目になるかもしれない。

 それから二つ目には、部屋の整理をした。

 今までの思い出の品とか、残してあった色んなものを、とりあえず全部捨てたのだ。ごちゃごちゃになって部屋にずっとあったもの、小学生から大学生までの雑貨や交換日記張なんかは、もう確認せずに全部捨てた。

 たまに懐かしむだろうからと残しておいたものたちも、数年間で一度も見ていないと断言出来るものはぱっぱと処分する。目を閉じてゴミ袋に突っ込んでいくのだ。あまり意思が強いほうではないから、額に汗をかきながら必死でそうやって、2日間かかって、私の部屋はすっかり綺麗になった。