「 ... ふぅ 」


ため息をつくと、サッと多目的教室に身を隠す


顔が赤くなる

髪の毛をとかす

リップを塗る



これが私の日課となっている


なぜならー




「 きゃ! 見つけた!!」




窓際で姿勢正しくノートをとる黒沢くんが、この多目的教室からよく見えるのだ


そのため毎月2回、私は必ず音楽の時間は遅刻する



ー大好きな黒沢くんを見つめられる唯一の授業



たとえ音楽の成績が悪くったって、私はこの時間を確保するんだ



髪の毛サラサラだぁ。。

あ あくびした

隣の席の子となんか話してる



色々な黒沢くんが見える幸せな時間



「 はぁ〜。。 今日もエネルギー補充できました♡

さて 私も音楽室に行きますかね 」



そうつぶやき、部屋を出て曲がり角をまがった直後、



ドンッ



誰かにぶつかった