そして外来終了後
「すず先生お疲れさまでした」
「うん、お疲れさま」
「空ちゃん明日も宜しくね」
「はい、もちろんです」
「それじゃあ今日は失礼しますね」
「うん、また明日」
空ちゃんは帰っていった。
仕方ない、新庄先生のところに行くか…
新庄先生の診察室に向かっていると
「あれ?ひなちゃんどうしたの?」
大広間のソファに座っていた女の子に声をかけた。
「あっ、すず先生」
「病室抜け出してきたの?」
「だめだよ、抜け出しちゃ」
「だって、診察嫌なんだもん」
そう言って俯いたひなちゃん。
ひなちゃんは、小学四年生で喘息で入院している。
私の担当患者さんじゃないけど
よく病室を抜け出しているから把握していた。
「一緒に病室戻ろ、ねっ?」
「いやっ…」

