嫌いだけど…



「その人小児科の先輩だよ!」




「えっ、本当!?」




「うん」


まさかの和樹先輩だったなんて…



「すずは好きな人いないの?」

「まさか和樹とか?」



なぜに和樹先輩?



「好きって言うか気になる?人はいるよ」




「えっ!?誰??」


空になったプリンのケースを捨てながら驚いている由香。



「新庄先生…」




「先生!?先生好きになったの!?あのすずが!??」

「医者嫌いじゃなかった?」




さっきからすごい勢いで食いついてくるな…。

女の人のテンション凄すぎる…。




「新庄先生は…なんて言うか…その…会うと嬉しくなったりするの」




「あの医者嫌いのすずがついに医者を好きになるなんて…」

「私は嬉しいよ」




「いや、まだ好きか分かんないよ」



だって今まで好きになった人なんて

いなかったし…。




恋が何なのかもよく分かんないよ…。