「ありがと」



和樹から受け取った吸入器を

すずちゃんの口に近づけた。




「ほら、発作起きる前に吸入しよ」




「ケホケホッん…」


ちゃんと自分から吸入してくれた。


吸入し終え、咳が治まると


「もう大丈夫なんで、他の患者さんのところに…」




まだ熱でぐったりしているのに

他の患者さんの心配している。



「暁、ごめん呼び出されたから行かないと…」




「わかった、頑張れよ」




「ああ、すずちゃんごめんな」



ガラッ

和樹は走っていった。