「自分の欲しいものですよ」 「いいけど……何が欲しいんだ?」 私の答えに諦めた様子の彼は 街を見渡す なんとなく私の欲しいものが わかっているのか その視線は一つの店に 向けられている 「金平糖がいいです」 「わかった。此処で待ってろ」 やっぱりなという表情で 笑みを浮かべた彼は 私の指差すお店に入っていった