__ガラッ



なんとか見つけた空き教室のドアを開け、ドサッとカバンを置く。


ほかの部屋はヤンキーどものたまり場になっているから、ここが空いていてよかった。


日もあたるし、寒くない。


でも、暇。



「……来たはいいけど、やることないな…」



ポツリとそう呟いたとき、教室の隅でガサッという音が聞こえた。


ヤンキーかレディース……?


警戒しながら身構えていると、ゴソゴソ音をたてて現れたのは…赤髪の男。



「誰だよ…」



不機嫌そうな声。


これはもしかして...?




「歩……?」


「あぁ…? 何だよ、昨日の女じゃねーか」



つり目がちの瞳で私を見ると、面倒くさそうに頭をかいた。



「蓮央さんから電話もらったけど……お前馬鹿なのか? わざわざこんなところ来やがって」


「私だって来たくなかったよ……。でも、南蓮央が行けっていうから」


「蓮央さんがねぇ……。あの人のやりそうなことだな」



軽く笑い、歩は壁にもたれかかった。