化粧の濃いギャル達を無視して、自分の靴箱から上履きを出す。


その瞬間蹴飛ばされるそれら。


隣を見ると、金色の髪をくるくるに巻いたレディースが数人立ってニヤニヤしている。



「本田さぁーん、お久しぶりねぇ?」


「あたしたちぃ、あなたがいなくてとぉっても寂しかったのぉ〜」


「ちょっとお相手してくださるぅ〜?」



……こいつら、私が黒薔薇だって知らないんだよね。


守られてばっかりの弱い姫だと思ってるんだ。


じゃあ、お望み通り、相手してあげようじゃない。



「……別にいいけど?」


「そう言ってくれると思ってたわぁ♪
じゃあ今日の昼、体育館裏に来てねぇ〜」



巻き髪女はニコッと微笑み、踵を返して廊下を歩いていった。



あーあ、めんどくさ。