無感情、無表情。


ホテル街で変なオヤジに声をかけられているときでさえ、無だった。


そんな彼女がどうも気になり、気がつけば俺らの倉庫に連れてきていた。


思ったより言葉遣いが荒くて、その風貌からピンときた。



こいつは【桜蘭】の姫……『桜の姫』だと。



噂では、喧嘩はできないが、誰もが守りたくなるような美少女と聞いていた。


まるで薔薇のような美しさだ、と。



外見は噂通り。


しかし、中身は違った。