すると、諒真さんが突然手を挙げた。



「なぁなぁ、咲誇ちゃんのことなんて呼べばいい? さっきー? さきりん?」


「……咲誇で」


「えー、やっぱりさっきーが……」


「咲誇で」



ふざけたあだ名を羅列する諒真さんを遮り、私は本名を押し通した。


さっきーだなんて呼ばれてたまるか!!



「つまんねぇのー」


「自己紹介も済んだところで、今日はもう解散するぞ」



ぶつぶつ言っている諒真さんを無視して、
南蓮央がみんなに声をかけた。


すると、諒真さんを含めた幹事たちがいっせいに頷いて、倉庫の階段を駆け下りていく。


きっと下にいるやつらに声をかけに行ったんだろう。