「え、ちょ……」


「つーかさ、咲誇ちゃん俺の事先輩って呼んでるけど、『諒真』でいいから〜」


「じゃあ僕のことも『真浩』って呼んで!!」



一人で話をすすめる諒真先輩。


そこに真浩も混ざってきた。


もう何がなんだか分からない。


ギャーギャーうるさい幹部の人達をどうしようかと眺めていると、救いの神が現れた。




「……お前らさ、いい加減にしよう?」




冷ややかな声で一喝したのは、黒髪副総長。


穏やかな笑みを浮かべているけれど、目が笑っていませんよ……?


その威圧に、総長であるはずの南蓮央までもたじたじ状態。



「よし、静かになった。……ということで、咲誇ちゃん。俺らの姫になってくれる?」


「…ゔ…...あ、ハイ...…」



いいえ、と言えない状況に、私もつい了承してしまった。



「じゃあ、これからよろしくな、咲誇」



南蓮央にすっと手を差し出され、そっとそれを握った。