「この女が勝ったってことは……あんたが世界のトップなわけね?」
値踏みするように蓮央を見たあと、つかつかと詰め寄ってその腕にだきついた。
「ねぇ、蓮央、だっけ?こんな女やめて、あたしにしよ?あたし、いつでもヤらせてあげるし、いい彼女になるよ?」
「は……?ちょ、奈緒…………?」
翠斗が唖然として奈緒を呼び止める。
「負け犬は黙れし。強い奴にしか興味無いんだ、あたし!」
奈緒はそれを一瞥し、蓮央に顔を近づける。
私はあまりのことに体が動かない。
「ねぇ……いいでしょ?あたしを【睡蓮】の姫にして…………?」
「咲誇」
蓮央は奈緒の腕を自分に巻き付かせたまま、私を見た。
「俺は、誰のものだったっけ?」
「え……?」
「俺は誰のものって聞いてんの」
ニヤニヤしながら返事を待つ蓮央。
そんなの……決まってる!
私は奈緒に歩み寄り、蓮央からひきはがした。
「蓮央は、私の!あんたには渡さない!」
「なっ……!」
「と、いうことだから。お前いらないわ」
蓮央は私を抱きしめ、奈緒に微笑んで翠斗を指さす。
「……ほら、彼氏が苦しんでるよ?」
「っ……あんなの、彼氏じゃないわよ!!
あんたら覚えてなさいよ!!」
カァッと顔を赤くした奈緒は、捨てゼリフを吐いて屋上から去っていった。


