「大丈夫だ、奈緒……俺は…………」
「負け犬は黙ってくんない?」
その場が凍るような冷たい声に、私は息を呑んだ。
「いい加減うっざいのよ、アンタ」
「な、お……?」
「世界トップだからアンタの女になってやったけど?こーんな女に負けるなんて、ほんと役たたずな男ねぇ?」
ゆるく巻いた髪をいじりながら、奈緒が歩いてくる。
「せっかく偽装の『奈緒いじめ現場』写真を用意してこの女を追い出したってのに。金の無駄だったわ、全く」
偽装……?
「奈緒、まさかあの写真……!?」
「そうよ?あたしが用意したの。アンタに似た女に金払って、アンタのふりをしてもらった。まんまと引っかかってくれたわよね、みーんな!」
キャハハハッと、楽しそうに笑う奈緒。
その視線が、私から蓮央にうつる。


