私の頭の中には、翠斗を殺すことしかない。
蓮央に何を言われようとも、止まらない。
翠斗を殴り、殴り、殴りまくる。
反撃をする間もないほどに、殴る。
顔面血まみれになった翠斗は、怯えたように私を見上げている。
「ゆ、許してくれ…!」
はぁ?許す?なにそれ。
そんな言葉、聞いたこともないね。
「馬鹿じゃないの……?」
クスリと笑って、自分の左手を見る。
薬指には、蓮央からもらった薔薇の指輪がはまっている。
赤かったはずのそれは、血で真っ黒に染まり……それはまるで私のよう。
今はもう、翠斗への憎しみでいっぱいだ。


