ゆっくりと立ち上がり、下から翠斗を睨みつけた。
当の本人は「外れちまった」と、血に染まった自分の拳を眺めている。
「ったく。お前が余計なことするから、そいつ意識不明の状態になっちまったな」
翠斗は私を蔑む眼差しで見下ろし、指をポキポキと鳴らした。
「俺は南蓮央を殺りたいだけだ。どけ」
「……あんたの相手は私」
「あ?何だと?女の分際で俺に喧嘩売るのか?」
女……?
ふふ、違うよ?
私はもう、『女』じゃない。
頭一つ分高い翠斗の胸ぐらを掴んで笑った。
「私は黒薔薇。憎悪にまみれた復讐の鬼だよ?」
言い終わると同時に、翠斗を殴りつける。
不意を突かれた翠斗は唇についた血をぬぐい、憎々しげに私を睨んだ。
「ってめぇ……殺してやるよ」
「やれるもんならやってみなよ」
「咲誇!!やめろ!!」


