青髪の意味不明な言動に耐えられず、立ち上がって帰ろうとしたとき。 「……逃げるのか?『桜の姫』」 低い声に、足が止まる。 『桜の姫』・・・ それは、私が【桜蘭】の姫だった頃の私の呼び名。 「『桜の姫』…!? ってことは、この女はまさか……?」 ざわめき始める男達。 やめて……その名前で呼ばないで。 「今の自分から逃げるのか? 【桜蘭】元姫、本田咲誇」 「なっ……!?」 何でコイツ、名前まで知ってるの…!?