「ねぇ、アンタ……」 「『アンタ』じゃねぇ」 青髪男が、不機嫌そうに私を見下ろす。 「蓮央だ」 「れお?」 どこかで聞いたような名前。 でも、誰だっけ。 「お前まさか……俺のこと知らないのか?」 こくりと頷く。 何でそんなに驚いているのか分からない。 「……まじかよ」 蓮央は、少し呆れたように私の手を引いた。