「咲ちゃん……」
「やめろっ!!!」
彼が私に触れる直前、ドンッと突き飛ばす。
でも、怯むことなく彼はまた寄ってくる。
「咲ちゃん……僕の咲ちゃん…………愛してる…………」
「っ……!」
虚ろな目をして近付いてくる新に恐怖を覚え、その場から駆け出した。
「待って、咲ちゃん!!今度こそ永遠に一緒だよ!!」
背後から響いてくるその声が聞こえないよう耳をふさいで下を向きながら走る。
すると。
__ドンッ!!
誰かに勢い良くぶつかり、尻もちをつく。
「ってぇな……」
聞き覚えのあるその声に、体が硬直した。
「きゃあ、大丈夫ぅ!?」
これも、聞き覚えのある声。
忘れられない、あの声。
忘れるはずのない…………憎い、声。


