「だって、咲ちゃんは僕の運命の相手でしょ?」
そう、新はいわゆる、ヤンデレ……。
なぜか私を『運命の相手』だと勘違いして、執拗に迫ってくる。
「咲ちゃんは照れ屋だからね。素直じゃないところも含めて愛してるよ」
「はぁ……?あんた、何をしにイギリスに行ったわけ?」
「え?父さんの仕事の都合で引っ越したんだけど……?」
首を傾げる新に、呆れて何も言えない。
「仕事の都合」というのは、実は嘘。
新がイギリスへ引っ越したのは、彼の身を案じた新の両親が私への執着心を忘れさせるためだったのだ。
なのになぜか、ヒートアップして帰ってきてしまった。
「咲ちゃん、僕ね、咲ちゃんがいなくて寂しかった。狂うかと思うくらい、会いたかった」
「…………あっそ」
「咲ちゃんも、寂しかったんだよね?だからあんな変な男と、嫌々付き合ってるんだよね?」
「……はぁ?」
今こいつ、何て言った?
「僕がそばにいれたら、あんな男は寄ってこなかったのにね……。ごめんね咲ちゃん。でも大丈夫。これからは僕が傍にいるよ?」
そう言って私を抱きしめようと手を広げる新に、虫酸が走った。


