「何よそ見してんだ?」
蓮央の言葉にハッとして前を見ると、私の指には赤い薔薇が咲いていた。
まだ咲いていない、小さな薔薇。
「次、咲誇の番」
ずいっとリングケースを差し出されて、それを受け取る。
中には青い薔薇の指輪がきらめいている。
それを抜き取って、蓮央の長い指に通した。
青い薔薇は、髪の色に合っていて綺麗。
思わず見惚れていると、掴んでいた蓮央の手が私の手を握って引き寄せた。
ギュッと抱きしめられ、周りからきゃあきゃあ騒ぐ店員や客の声が。
「蓮、央……?」
「咲誇……あんま見んな、可愛いから………」
「へ!?」
いきなりの発言に、体温が急上昇する。
「……帰るぞ、理性もたねぇ」
「はっ!?」
店員の「お幸せに~」という声に見送られ、私達は店を出た。


