数十分迷い、店員が私たちの方を気にかけ始めたところで、私は指輪を決めた。
まだ迷っている蓮央の背中をつつき、指輪を見せる。
「蓮央、これ、どうかな……?」
私が選んだのは、青色の薔薇の指輪。
蓮央はそれを見ると、私から受け取って指にはめた。
嬉しそうにそれを眺めたあと、私に返した。
「これ、髪の色に合わせたのか?」
「それもあるけど……青薔薇の花言葉は、『夢叶う』だから、蓮央にぴったりかなって」
「花言葉……?すげぇ、咲誇って花言葉分かるんだな!」
「…うん、まぁ……それなりには」
「じゃあ……これの花言葉分かるか?」
そう言って蓮央がつまんだのは、赤い薔薇の指輪。
と言ってもただの赤い薔薇ではなく、つぼみの薔薇がついた指輪だった。
「つぼみって、咲いた花とは別の花言葉があるって聞いたことあんだけど」
「よく知ってるね……。その薔薇の花言葉は、『純粋な愛』だよ」
「『純粋な愛』、か……。よし、これに決めた。買ってくるな」
「え!?」
驚いている隙に手から私が選んだ指輪が抜き取られ、蓮央はレジに歩いていった。


