「ひっ……!!」




そこにいた男たちは腰を抜かしながら逃げていった。



さっきまでの強気はどこ行ったんだよ。




「……腰抜けどもが」




そう吐き捨て、歩き出そうとすると。




「あ、あのっ……」


「何よ?」




また邪魔され、苛立ちをあらわにしながら
振り向いた。


私を呼び止めたのは、殴られていた男だった。




「あの、ありがとうございました……」


「あんたを助けたわけじゃない。ムカついたからやっただけ。じゃあね」



それだけを言って、立ち去る。



おとこはまだ何か言いたそうだったけれど、それを無視して路地を抜ける。